半側空間無視 ⑤個人的にはⅡ

長くなってしまうので、区切りながら書いていきます。

 

今日は個人的にUSNリハでやることが多いもので

【方法】

①眼球運動

②補足課題

③視覚走査課題

④Limbs Acitivation

         の②と③になります。

 

 

【補足課題】

 簡単にいうとキャッチボールです。リハに組み込んだきっかけは、

 「構成障害に対する補足課題の効果」渡辺ら 2012 理学療法

 を読んだことからでした。内容は検索してみてください。

 

 構成障害は、独立性は低い症状としてされており、根本的な原因に認知機能の低下や

USN、失行などがあると考えられています。またUSNは空間性の注意障害である点も

考慮すると、遠位空間から自己へ向かってくる物に対して定位を行うことは改善に有効

ではないかと考えています。

 また、机上課題は身体周辺空間(近位空間)に留まることが多いですが、キャッチボ

ールであれば身体外空間(遠位空間)からの刺激にもなります。

 

 <方法> 私はお手玉をよく使います。 患者例:左USN

 ①非USN側、患者からみて右側の空間でキャッチボール 

 ②そのままSTは右手に持ち替えて、患者からみて左側寄りでキャッチボール

 ③お手玉を2つ用意。右―左を交互にキャッチボール

  (難しければ1個で注意をひきながら)

 ④最後にランダム化してキャッチボール

 

  回数は人によりますが、10回程度は少なくてもやっています。 

  先日の記事でUSNにアプローチするにあたって、「受動的注意」を改善することも

 重要である点を記載しました。④ではこの2点からくる刺激に反応しなくてはならな

 いため、受動的注意もある程度刺激できているのではないかと考えています。臨床で

 これをやっていると④では大体患者さんの視線は非USN側にいき、その後「あれこな

 いな」となってからUSN側へ視線を移動してくることが多いです。

  投げる位置もコントロールします。身体周辺空間は主に体性感覚で構築されている

 ようですが、USNが重度だと感覚も鈍麻していることが多いです。そういったことも

 含め、慣れてきたら左上肢付近に投げるようにもしています。

 

 

【視覚走査課題】

 私は上記課題の直後に視覚走査課題を行っています。あまり、机上課題はやらないの

ですが、キャンセレーション点描写は行うようにしています。ここでは能動的注意に

アプローチしています。

 キャンセレーションをやるとき、「右⇒左にやっていく」、「端っこに印をつける」

など、決まりはあまり作りません。ただ1つだけ徹底しているのは、「左上肢を机の上

に置く」くらいです。患者さんにとって「紙面上の左まで注意して」というよりも、

「上肢」を基準にしたほうがわかりやすいのではないでしょうか。  

 

 今日はここで終わりにします。

 ありがとうございました。