呼吸について
発声や嚥下に関わるSTにとって、呼吸は重要なことは言うまでもありません。
臨床における呼吸の評価で特に推奨されているのは
・フィジカルアセスメント
・スパイロメトリー
・レントゲン
・心電図
・SpO2
・歩行試験、握力などがあります。
ただ脳血管疾患患者では重症度に差があり、全てを実施できないことが多いのが現状です。なのでここでは、「フィジカルアセスメント」と「SpO2」について触れてたいと思います。
「フィジカルアセスメント」は、「視診」「打診」「聴診」「触診」といったところに分かれるかと思います。異常を検出するためには、まず正常を知る必要があるので、そちらをおさえておくといいでしょう。
「視診」
・姿勢:臥位or坐位
・呼吸の回数、パターン
・頸部や胸郭の動き
※当たり前ですが、咳嗽・痰、表情なども
触診と重なるポイントではありますが、セラピストが触ることで呼吸は簡単に変わることがあるので、できれば触らない状態で見ておくことをおススメします。
・呼吸の回数、パターン
最低でもここは抑えておかないとダメなところです。
異常所見と原因が簡単なまとめられているものが、以下の通りです。
例えばですが、腎機能が低下した場合、身体の酸塩基平衡はくずれアシドーシスに傾く
ので、代わりにアルカリ性へ戻そうと頑張るのが呼吸になります。そのため、呼吸数や
パタンは崩れ、異常として呼吸数に現れます。このように、身体の不調として呼吸は症
状として現れやすいところになるため、必ずチェックすることをおススメします。
また、呼吸アセスメントは複数の項目を組み合わせていくことが重要です。なにかおか
しいなと違和感を感じたら血液データなどを見る癖をつけておきましょう。
・頸部や胸郭の評価
胸郭は部位によって動き方が異なります。
上位:ポンプハンドル(やや前上方)
中位:バケットハンドル(側方)
下位:キャリパーハンドル(側方)
人によって若干違いはありますが、大方この分かれ方になります。
これをベースに触診しますが、触る前に視診にてある程度の動きを把握しましょう。
基本的に呼吸は横隔膜の運動をもとに、弾性的に胸郭の動きは作られています。なの
で、可能であれば臥位と坐位どちらでも評価することが理想です。姿勢が変わるだけで
呼吸様式はかなり変化していきます。
重症患者は長期的な臥床を強いられることも多いことから、廃用や重力の関係から胸郭
の動きが制限されることは多く見受けられます。そういった影響もイメージして評価し
ていけるといいかと思われます。
まず今回は「視診」について簡単に紹介しました。