呼吸について ②聴診
今日は「聴診」をさらっとやります。
結論からですが、聴診のコツは「ひたすら聴いてみる」につきます。
正常な人の音を聞きなれていないと、異常は発見しにくいです。同僚や家族で練習して
おくことが望ましいです。ただ、聴診するポイントがわからないと比べることもできま
せんので、そこを紹介したいと思います。
聴診していく上では、気管の構造と肺野を意識していくことになります。
前胸部はこの画像のようなポイントで概ね大丈夫かと思いますが、加えて
胸骨柄という鎖骨をつなぐ骨がありますが、そこが気管の分岐直前になりますので聴診
しておくと良いかと思われます。また、鎖骨上部もおススメします。
背部の聴診をやらない方も多いなと感じていますが、ぜひ聴診してください。特に長期
臥床している人はなおさら必要になってきます。肺は前後に広がるため、臥床が続いた
場合に痰は背中のほうに集まってくることがあります。腹側では肺雑がなくでも背中の
ほうで聴診されることがありますので、しっかり聞いておきましょう。
背側の聴診は離床or側臥位にしたほうが聴きやすいです。場所は肩甲帯内縁にそって大
体3か所と覚えておきましょう。
<聴診器>
聴診器といえばリットマンですよね。高いので病院の備品を使ってます。
慣れると安いのでも聞けるらしいですが、私はよくわかりません。
聴診器は、「膜型」と「ベル型」の2つに分かれ、それぞれを使い分けます。
「膜型」
・強めにがっつり当ててください。でないと皮膚の音が入り、分かりにくい。
・ふくよかな人に適している。
「ベル型」
・痩せた人に適している。
・低音が聴きやすい。
<副雑音>
対象疾患によって雑音の種類は異なりますが、自分は脳血管疾患患者が多く嚥下障害患
者で聴診することがおおいので、「断続性ラ音」の水泡音をよく聞きます。
音に関しては何と表現したらいいかわかりませんが、個人的には「パサパサ」「パスパ
ス」と聞こえますね。どちらかというと低音に分類されるので、慣れてるセラピストや
看護師に肺雑があると聞いて、その後に自分でも確かめるとよい練習になります。
聴診で痰が肺のどの部位に貯留しているかを評価することは、排痰手技へつなげていく
上で非常に重要なものとなります。
また音に敏感になるので、不思議と嚥下音の聴診力にもつながっているような気がしま
す。ぜひ積極的に聴診してみてください。